ケース4.
エフェクターの種類と音のサンプル

カラオケでいうところの「エコー」。実はあればリバーブ(残響、Reverb)といいます。DTMで使うソフト(DAW)には残響のことを「エコー(Eco)」と表記するエフェクターはないのが普通です。
ここではDAWでエフェクターを探しやすくるために、エフェクター/エフェクトの名称と音のサンプルを紹介します。


リバーブ [残響、Reverb]

音のサンプル】:冒頭でも触れていますが、カラオケでいうところの「エコー」です。正式にはリバーブ(残響、Reverb)といいます。
ルーム、ホールなどの様々な空間をシミュレートできます。いわゆる「お風呂エコー」もリバーブです。 DTMで使うソフト(DAW)には残響のことを「エコー(Eco)」と表記するエフェクターはないのが普通です。

ゲートリバーブ [残響、Gated Reverb]

音のサンプル】:リバーブを余韻を残さずにスパッと切った効果です。その昔に一世を風靡した効果です。リバーブの余韻をゲート(マシン?)などで切ります。

エコー(ディレイ)[反響、Delay]

音のサンプル】:「エコー」はこちらの効果です。いわゆる「やまびこ」です。これは「反響」でありディレイと呼ばれます。反響までの時間や反響回数などを設定できるのが普通です。 サンプルは反響音を中央に定位させたもので、「モノ・ディレイ」などと呼ばれることもあります。

ステレオディレイ[反響、Stereo Delay]

音のサンプル】:ディレイの反復音を、左右別々の遅延時間を設定することによって、左右のに振る効果を演出するものです。 左右交互に反復するように設定したものは「パンニングディレイ」と呼ばれることもあります。

音像を左右に振り中央をあける効果[反響の応用、Stereo Delay]

音のサンプル】:ステレオディレイを使って演出できる効果です。音像を左右の隅に追いやるものです。この効果に通り名があるかどうかは不明のため、この記事では「反響の応用」としておきます。
サンプル音は右だけを20ms程度遅延させたものです。
本来はエフェクターにたよらず、同じフレーズを二回弾いてそれぞれを左右に定位させて得るべき効果だと思います。

コンプレッサー[-、Compressor]

音のサンプル】:音量の閾値(スレッショルド、しきい値)を設定し、それを超えたら指定の比率で音をつぶすものです。 音量を揃えるため、あるいは積極的な音作りのために使用されます。
サンプル音は圧縮率を大きくとり、アタックを短く、リリースを長く設定したものです。瞬間的に頭を押さえて徐々に音が立ち上がてくるように聞こえると思います。 コンプレッサーは音色によって違いが分かりにくいエフェクターだと思います。

ビブラート[-、Vibrato]

音のサンプル】:周期的に音程を上下させるエフェクトです。特に説明の必要はないと思います。

トレモロ[-、Tremolo]

音のサンプル】:周期的に音量を上下させるエフェクトです。弦楽器の奏法でいう所のトレモロやストラトキャスターなどのエレキギターに装着されているトレモロ・アームの効果とは違います。 エフェクターの世界では周期的に音量を上下させるエフェクトをトレモロといいます。

ワウ[-、Wah]

音のサンプル】:単に「ワウ」とか「ワウワウ」、「ワウサウンド」などと呼ばれます。 イコライザーのカットオフ周波数を動的に動かすようにして得られる効果で、文字どおり「ワウワウ」と聞こえます。
ペダルと一体になった「ワウペダル」(「クライベイビー」は商品名です)や周期的に掛ける「オートワウ」があります。

オートパン[-、Auto Pan]

音のサンプル】:音定位を周期的に左右に動かすエフェクターです。 モノラル・ディレイと組み合わせて反響音を動かして「パンニング・ディレイ」の効果を作り出すこともできます。

コーラス[-、Chorsu]

音のサンプル】:音に厚みを付加するエフェクターです。 原音にわずかに音程をずらした音を混ぜることによって効果を得ます。もとの楽器音やパラメータの設定によって聴こえ方が随分変わってきます。

フェイザー[-、Phaser]

音のサンプル】: 原音に位相を変えた音を混ぜることによって干渉を作り出して効果を得るものです。"フェイズシフター"とも呼ばれます。
正直なところ先のコーラス、後のフランジャーとは違いが分かりにくいと思います。音の干渉によって「うねり」のようなものを付加する点は同じようなものですが、その干渉の作り方が違うという感じでしょうか。

フランジャー[-、Flanger]

音のサンプル】: 原音に遅延させた音を混ぜることによって干渉を作り出して効果を得るものです。
フェイザーのところでふれたようにコーラスやフェイザーとの違いが分かりにくいと思いますが、極端な値にパラメータを設定することによって特長が出てくるようです。

オクターバー[-、Octaver]

音のサンプル】: 原音にオクターブずらした音を混ぜるエフェクターです。サンプル音は2オクターブ下の音と1オクターブ下の音をミックスするように設定したものです。

ディスーション[-、Distotion]

音のサンプル】:主にエレクトリックギターで用いられる歪み系エフェクターです。 似たような効果を得るものにオーバードライブ(Over Drive)がありますが、これは歪ませ方が違います。ディストーションはどちらかと言えばエッジのたった歪み、オーバードライブの方はちょっとマイルドな音といったところでしょうか。
エレクトリックギターの歪み音は結構難しく、なかなか欲しい音色が得られないものです。ここで紹介しているサンプルもお世辞にもいい音とは言い難いと思います。



〔2021.1.25 新規掲載、2021.1.28 最終更新〕