MIDI:外部エフェクト(リバーブ)とコーラス・デプス
現在では極端に安価なものでもない限り、殆どすべてのシンセサイザーに"リバーブ","コーラス" などのエフェクターが内蔵されています。 これらの、エフェクターのかかり具合を MIDIメッセージでコントロールすることが可能です。
- リバーブ(残響効果)
これは、俗にカラオケなどで"エコー"と呼ばれているもののことです。 実際には"エコー"とは"やまびこ"のような"反響効果"のことをいい、"ディレイ"と呼びます。 カラオケでは、下手な歌を"マシ"に聴かせるためにリバーブ効果を使用していますが、 これは空間を演出する為のエフェクターです。 - コーラス(日本語ではなんていうんでしょう?)
これはその名の示すとおり、同じ音を複数同時に鳴らしたような効果を生み出すもので、音に厚みを出したり、あるいは左右に広げたりする場合に使用します。
エフェクターには実にたくさんの種類があり、シンセサイザーによく内蔵されているものも上記の2だけではありませが、ここではこの2つに限定して解説します。
下の図は、今日のマルチティンバー(パート)シンセサイザーの音声信号の流れを簡単に示しています。図が複雑になるため、 エフェクターは"リバーブ"だけ、 パート(論理的なシンセサイザー)は2つしか示していませんが、GM対応のシンセサイザーあるいは MIDI音源では、パートが16個あります。
図に示したエフェクターは、次に示すように設定されています。
- リバーブ・タイプ=HOLL(コンサート・ホールのシミュレート。他は"聖堂"なんていう種類もあります)
- リバーブ・タイム= 6秒(残響ののこる時間)
リバーブ場合これらの他に、"壁までの距離"、"壁の材質"などを設定するパラメータがあります。
一般的にMIDIメッセージで簡単にコントロールできるのは、 図でREVERB SEND(リバーブに送り込む音声信号のレベル)と示した部分である点を留意しておく必要があります。 簡単に制御できるのはエフェクターへの"送り量"のみで、エフェクター自体は他のパートと同じものを共有することになります。
リバーブ・センドとコーラス・センドはそれぞれ、コントロール・チェンジの異なるコントローラー番号にアサインされ、 独立したコントロールが可能です。
●外部エフェクト(リバーブ)・デプス(リバーブ・センドとして使用)
- 自メッセージのMIDIチャンネル [1〜16]
- コントローラー番号[91(固定)]
- リバーブ・センド量 [0〜127の128段階で表現]
●コーラス・デプス(コーラス・センドとして使用)
- 自メッセージのMIDIチャンネル [1〜16]
- コントロール番号[93(固定)]
- コーラス・センド量 [0〜127の128段階で表現]
先ほどの図と同じものですが、もう一度みてください。
リバーブ・センド(コントローラ91番)とコーラス・センド(コントローラ93番)は図の"Effect SEND"に相当します。 いずれも、すでにパラメータ設定されているエフェクターに対する"送り量("ウェット"と表現する場合があります)"をコントロールするもので、 全体のリバーブ・レベルあるいはコーラス・レベルを設定するものではありません。
全体のリバーブ・レベルや HOLL等のリバーブ・タイプの設定を MIDIメッセージで行う場合は、 みんなが嫌いな(少なくとも私は嫌いです)システム・エクスクルーシブ・メッセージを使用しなければならないのが一般的です。